クリオスペシャルコラム

腹式呼吸で身体を温める

毎日、意識もせずに行っている呼吸ですが、呼吸を改善するだけで身体を効率よく温めることができます。

深い呼吸は、基礎代謝を促進し、筋肉の増加にも効果があります。
ゆったりと腹部の筋肉を使いながら腹式呼吸をすることで、周辺の筋肉がほぐれて、筋肉をしっかり動かすことによって血流も循環し身体が温かくなります。
腹式呼吸は、血行を良くし、身体を効率よく温め、また巷にあふれるどのようなダイエット方法よりも安全で確実に痩せる方法です。

腹式呼吸の効果

1. 腹筋まわりの筋肉を使うため、体温が上がり、冷え性の改善に効果
2. 横隔膜が内臓や腸の動きを刺激、便秘改善に効果がある
3.酸素が多く身体に取り込まれ、血行が良くなり、免疫機能や新陳代謝が上がる
4.意識的に深くゆっくりとした呼吸をすることにより、意識的に自律神経をリラックスさせ、ストレス改善に効果がある
5.深い呼吸でリラックスさせ、自律神経やホルモンバランスを整える

自律神経の基礎知識:ストレスと呼吸の関係

精神的なゆとりがなかったり、ストレスを溜め込んでいると呼吸は短く浅くなります。
この呼吸は私たちの身身体に備わっている自律神経のバランスと深く関わっています。

自律神経は、身体の様々な機能をコントロールしながら健康に深くかかわっていますが、交感神経、副交感神経が交互に身体を支配することでバランスをとっています。

基本的には、身体や頭を活動させる「活動状態」である交感神経が優位の状態とゆったり落ち着いた「リラックス状態」副交感神経が優位の状態のバランスによって健康を維持しています。
ストレスの影響から自律神経がリラックスしなくてはいけないときにも興奮状態が続き、神経的にくつろげないような状態が続くと様々な病気の原因になっています。

基本的に自律神経はコントロールすることができません。
それは、神経そのものが‘自律’しているため、私たちの意志でコントロールすることはできません。
自律神経がつかさどっている身体の機能はたくさんあります。

たとえば手や足はあなたが意識をして動かすことができますが、体温を保持することや、心臓や胃腸は、動かそうと意識しなくとも動いてくれています。
私たちが止めようと思っても止まらない、私たちの意志に関係なく働いているのが自律神経です。

ストレスを受けると、この自律神経のバランスが崩れ、血行が悪くなり、低体温になります。
さて、自律神経でひとつだけ、意志で少しコントロールできるものがあります。それが呼吸です。

自律神経と呼吸

私たちが意識しなくても呼吸はできますが、意識的に呼吸をゆっくりしたり、我慢できる程度に止めてみたりと、少しだけコントロールすることができます。

深くゆっくりとした呼吸をすることにより、意識的に自律神経をリラックスさせることができます。
数回繰り返すと、気持ちが落ち着いてくるのがわかります。
生理的にも副交感神経が優位になり、血行が改善します。ゆったりとした深い呼吸は心身のリラックスした状態を作り出すことができるのです。

腹式呼吸の種類

呼吸には大きく、胸式呼吸と腹式呼吸があります。

胸式呼吸とは、ラジオ体操の深呼吸のように肋骨を大きく広げて息を吸う方法であるのにくらべ、腹式呼吸は横隔膜を使ってお腹を動かす呼吸法です。

私たちは、眠っているときに無意識のうちに腹式呼吸をおこなっていますが、息を吐く時にお腹をへこませ、息を吸うときにはゆっくりお腹をふくらませながら吸い込みます。
実際の呼吸は腹式と胸式が組み合わされており、はっきりと区別できるものでもなく、どちらかに切り替えることはできません。

しかし意識的に腹式の方向へとコントロールしていくのです。
腹式呼吸は呼吸のたびに腹筋を使い、内臓を動かすため、呼吸のたびに腹筋の軽い筋肉トレーニングや腹部をマッサージしているような効果があり、胃腸をはじめ内臓の血行を促がし身体が温かくなる効果があります。
日頃から自然に腹式呼吸ができるように習慣づけしていきましょう。

腹式呼吸のコツ:口笛を吹いてみる

身体を温める手軽な方法として、腹式呼吸があります。
腹式呼吸の簡単なコツは、口笛を吹いてみることです。口笛をできる限り長く吹きつづけてみます。
音は上手に出なくてもかまいません。
すると口笛は浅い呼吸では上手に音が出ないことがわかります。

口笛は音を出している時に腹筋をつかってお腹をへこませ、音を出し切ると下腹部がきゅっとしまり、筋肉を使っている感覚が出てきます。

その後息を吸った瞬間にお腹が自然と膨らみます。
口笛は音を出すのが難しいので、完璧なお腹の使い方をしないと音が出ず、音になりません。身体で腹式呼吸の感覚を覚えることで効果が上がります。

コツがつかめてくると、カラダの内側がポカポカと温まるのを感じることができます。口笛を吹くことによって簡単に腹式呼吸の感覚をトレーニングすることができます。

発声と腹式呼吸の仕組み

身体を楽器としてイメージしてみましょう。
バイオリンに見立てたときに、弦にあたる部分が声帯、音を共鳴させる部分が身体、弦を弾く弓は人間の場合、呼吸です。息で声帯をふるわすことによって音を出します。

バイオリンとコントラバスをみると、弦が長いほど低い音がでるように、声帯もまた、長いほど低い音が出ます。声帯の位置はのど仏付近にあり、長さは1.5〜2.5cm、男性の声帯は長く太いため低い音が出ます。
女性の声帯は男性と比べると短く細いため高い音が出ます。
それは、男性が女性より声帯が長くため声が低くなるという特長があります。声には声帯・体格・身長など発声器官とその性能も大きく関係があります。

声帯そのものは直接動かすことができません。
黙って呼吸をしているときは、声帯は開いています。声を出すときに、呼気をコントロールすることで声帯とその周辺の筋肉を振動させます。
そして声帯が一秒間に何百回から何千回と開閉することによって声を生み出しています。

呼吸が不安定だと、声帯も不安定に鳴ります。このように声帯を正確に振動させるためには正しい腹式呼吸を習得する必要があります。

声と周波数

人間が認識する「音」は周波数によって決まります。音は物体が振動して空気の波動となり私たちの聴覚に達して音の感覚となります。

声帯だけの音は、プープーといった単なるブザーのような音にすぎません。
これは純音に近い音で、音叉の音のように単純な波形をもつ周波数で、きれいなカーブで示されますが、自然界ではほとんど存在しません。

声は複合音です。
例えば、あるヘルツの高さで声を出しても、その上の倍音がのってきます。
そしてその倍音がどのように混ざるかによって音色が変わります。
※音には、基本となる周波数(基音)の他に、その2倍・3倍と整数倍の周波数の振動がいくつも含まれています。 この整数倍の音(振動)のことを倍音といいます。

フルートなどは純音に近い音がする一方、バイオリンやオーボエは倍音が多く含まれるため特徴的な音色であるように、音色が異なるのは倍音のバランスによるものです。

私たちの声も体腔・口腔・鼻腔などの身体の空間などを共鳴させることにより、声帯を振動させて声にします。そのとき感覚としては「一つの音」と感じても、実際は「様々な音(周波数)の混ざり合った音」を私たちは声として出しています。その「音の混ざり具合」が声の個性となり「音色」となります。

身体を楽器のように響かせる「共鳴」とは?

声の使い方が良いとは、楽器(身体)の機能の生かし方の善し悪しです。

喉というたったの2cm程度の楽器を、その原理に基づいて振動させ声をだします。
声量を増すために、喉を無理に鳴らそうとしてはいけません。声量は息と共鳴のさせ方で変わってくるものです。
「聞きやすい声」・「伝わる声」というのは、「遠くまで響かせる」ことができるという特徴があります。

人間の身体で特に共鳴するところ「共鳴腔」は、一番広く大きな空洞である「体腔」です。
次に「咽喉腔」「口腔」「鼻腔」などですが、これらの空洞に音が共鳴し、互いの響きが混ざり合って、豊かな倍音と共に声量のある声を作り出しています。

声の共鳴腔は、「鼻腔」などの狭い空間では高い倍音が、広い空間では低い倍音が響きやすいといわれています。手を当ててみて、胸・肋骨・背骨など響いていることを感じてみます。
また頭部の響きや顔面や鼻の響きによる共鳴を感じてみましょう。

基本的な考え方は、「決して喉に力を入れるものではない」ということです。
また身体の筋肉が硬直していては、声は上手く響きません。

顔も同じです。私たちが細かく発音を使い分けることができるのは、表情筋が発達しているからです。
日頃から大きく表情筋を動かすトレーニングをして、表情豊かなにすることが同時に声の表現力を高めることにつながります。

声の響きをコントロールする練習:ハミング

共鳴の感覚をつかむ練習として、「ハミング」がよく知られています。
「ハミング」によって鼻腔共鳴や咽喉腔共鳴の感覚がつかめるでしょう。

ハミングするには、口は軽く閉じて、口の中にゆで卵を丸一個口に含んだようなつもりでハミングしましょう。
大事なことは、身体や顔をリラックスさせて、よく振動が得られて、よく響く状態を身につけることです。

口をしっかり閉じてしまうと振動を止めてしまうことになります。
よく振動が共鳴するように口の中を開けておくことが大切です。

また喉は、あくびをしたときのように開けておきます。
声の響きや共鳴を鼻の付け根に響きがくるように、共鳴を感じてみましょう。

ハミングは口を閉じることで障害物をつくり、高い周波数がでない現象をつくります。
低い周波数は、回折という現象があって、障害物があると回り込んでいくという現象があります。
高い声の周波数は、障害物があると反射されてはいってきません。

また、声を出すときに頭蓋骨を突き抜けて上へ自分の声が抜けていくのをイメージしましょう。
上手くいくと、自分の鼻の奥や目の裏で声が響いているのを感じることができます。
ハミングの共鳴を確認した後に、口を自然に開けてナ行やマ行を用いて声を柔らかく出してみましょう。